古着好きなら誰しも持っているであろう「Reverse Weave(リバースウィーブ)」。リバースと略して呼ぶ方が多いです。
不動の定番を確立しているチャンピオンのリバースウィーブは、普通のスウェットと何が違うのか?そもそもどんなアイテムなのか?
今回は、歴史や人気アイテム、コーディネイトを紹介していきます。
「リバースウィーブ」ってどんなアイテム?
古着を初めて買う方も古着好きな方にもおすすめの定番アイテムがチャンピオンの「リバースウィーブ」。
100年以上の歴史がある「Champion(チャンピオン)」ですが、「リバースウィーブ」なしではその歴史は語れません。
創業から15年目の1934年、「リバースウィーブ」は誕生しました。
当時はスウェットシャツを洗うと縦方向に縮む問題があり、その悩みを解決すべくチャンピオン社が独自に開発した製法が、本来縦に使われていた生地を横方向にするというもの。
さらに両脇部分にリブを使用し、横縮みにも対応したことで動きやすさを向上させました。
” 縦と横を逆に使用する ”という意味から「リバースウィーブ」と名付けられています。
年代やデザインで異なりますが、「リバースウィーブ」は厚みのある生地感も特徴の1つです。着込んでいく内に体にフィットする感じ、肉厚だからこその丈夫さも人気の1つです。
タグの見分け方
タグは年代識別の大事な材料の1つです。
また素材が途中から変更されていたり、ロゴが変わったりと産業の発達とともにに変化していくタグをぜひご覧ください。
“タタキタグ”
タタキタグとはタグの四方すべてを縫い込んだ姿がたたき打ち込んだようにみえるため、この様な名称が付きました。
60年~67年代に使われ、このタグからレジスタードナンバーが記載されるようになりました。また、この年代まではすべてコットン100%です。
全体はこちら↓
染み込みプリントとボディーの風合いが良い味を出しています。
“単色タグ”
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70年~76年代あたりに使われた”単色タグ”初期のものです。
70年代がタタキタグから単色タグの移行期間で左写真は、最初期タイプです。
タグにアンダーバーが印刷されており、REVERSE WEAVEの横に™表示されているのが特徴です。
その後は右写真のように™表記から🄬に。
この時代からコットン90%・ポリエステル10%になっています。
中にはアンダーバーがあっても🄬表示だったりとタグの移行期は2つのタグの特徴が混ざっていたりするので、機会があればぜひ見てみてください。
全体はこちら↓
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古着の中ではプリントが1段よりも2段、3段と重なり、尚かつ文字が大きく湾曲している物が人気であり、高価になっています。
左写真がまさにそうですね。右写真のアイテムはカラーリングが良く、首元が裂けている感じがとてもイマっぽいです。
76年~81年までは”単色タグ 後期”と呼ばれます。
デザインは同じですが、コットン90%とアクリル10%に変更されます。
そして霜降りグレーのみ77~78年にコットン90%、アクリル10%からコットン82%、アクリル12%、レーヨン6%の配合になる単色タグ最終期に変更にされます。
アクリル10%の霜降りグレーは1年程度でかなりレアになので見つけたら運命ですよ!
こちらは70~80年代のリバースウィーブ達。
名前が書けるヘリンボーンテープ付きです。
“トリコタグ”
“トリコタグ 初期”
こちらはトリコタグの初期、81年~83年までのタグです。81年は単色とトリコが混在している年だと言われています。
このタグの特徴は、
・コットン82%、アクリル12%、レーヨン6%
・コットン90%、アクリル10%
の2種類存在し、尚かつMADE IN USA表示が裏面にあることです。
ちなみに、”トリコ”とは青・白・赤のトリコロールカラーを使用していることから名付けられました。
フランス国旗を想像すれば分かりやすいと思います。
“トリコタグ 中期”
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83年~85年代のタグからコットン90%・アクリル10%のタイプのみに変更されます。
またタグが2枚仕様になり2枚目には「分厚い素材のためカラフルなものとは分けて洗濯してください」
と注意書きされています。
“トリコタグ 後期“では、コットン89%、アクリル8%、レーヨン3%の配合になりました。
“刺繍タグ”
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89~90年まではトリコタグと刺繍タグが混在していた年だそうですが、
90年~からこのタグに変更されます。
素材表記は2種類あり、
・コットン89%、アクリル8%、レーヨン3%
・コットン90%、アクリル10%
が存在します。
また原産国もUSA製とメキシコ製が存在し、USA製のほうが初期です。
以上がタグの解説でした。ぜひお持ちのリバースウィーブをチェックしてみてください!
王道人気のデザイン
ヴィンテージからイマドキの人気デザインを見ていきましょう!
カレッジプリント
その中でも希少で人気な3段プリント。王道のアメカジスタイルには欠かすことが出来ない定番モデルですが年々枯渇が進んでいるアイテムの1つです。霜降りグレーなのもポイントが高いです!
定番人気カラーは圧倒的にグレーではないでしょうか。全体的にグレーが多いのもありますが合わせやすく他のカラーを中和してくれます。この記事を読んでいる皆さんもきっと持っているはず。
なぜスウェットにはグレーが多いかご存じですか?
実は衣類や繊維の歴史が関係しており、こんな説があります。
当時、保温性が必要とされる衣類は上質なウール(羊毛)をはじめとする動物の毛が使われていました。
その色は自然由来のナチュラルな「グレー」
そして時代が進み、生産業の発達などにより安くて大量に生産できる植物素材のコットンが使われるようになりました。その時に、より格上であるウールの質感や色合いをお手本にしたコットンの洋服が作られるようになりました。それが現在の「グレーのスウェット」につながっています。
パステルイエローは淡い中に程よく明るさと華やかさのあるカラーです。寒い季節にも合うのでパステルカラーもぜひチャックしてみてください。
ダークグリーンはアースカラーでまとめると古着感が一気に増します。
ワンポイント
使いやすいシンプルなリバースウィーブがいいけど無地はイヤ!という方にはワンポイントがおすすめです。
現行はカラー展開も多く、何枚あっても困らないアイテムなので、ペアルックやグループで合わせてきてもかわいいです!
濃いめピンクなら甘くなりすぎずユニセックスで着用してもかわいいこなれカラーです!
パープルはプリーツスカートで上品に。
合わせ方次第でフェミニンもカジュアルにもクールにもなれるので合わせ方は無限大です。
「リバースウィーブ」を使ったコーディネートを紹介
リバースウィーブやスウェットはカジュアルでゆったりなイメージですが、合わせ次第でさまざまなジャンルに挑戦できます。セルフでリメイクしたリバースウィーブのコーディネートもあるのでぜひ参考にしてください。
THEアメカジなリバースウィーブとブルーのスニーカーでまとめつつキレイめな鮮やかグリーンのプリーツロングスカートではずすことで子供っぽくならないバランスの良いコーディネートです。
普段のコーディネートに飽きたらメッシュタンクをレイヤードしてみて。ビスチェやキャミソールも良いアクセントになりそう!
寒色とブラックで合わせているなかにビビッドなレッドのリバースウィーブが目を引くこちら。インナーにはピンストライプのシャツを合わせてトレンドの「裾出し」もしっかり取り入れたコーディネートです。
リバースウィーブだけじゃ物足りないな、と感じたときはシャツをレイヤードしてみて!
こちらもシャツをレイヤードしたコーディネート。ダークカラーでまとまっていて白いカレッジプリントがより引き立ちます。強めのアニマル柄もレイヤードで中に忍ばせちゃえばカジュアル古着女子に!
落ち着いたカラーでシックにまとめたコーディネート。リバースウィーブはリメイクされており、裾と首元が切りっぱなしになっています。特に首元の切りっぱなしや裂けているものが人気で、自分で切っちゃう方も多いです。良い意味でのボロさや抜け感が出ておすすめです。
こちらも首元をカットしてオープンカラー風にリメイクされたリバースウィーブ。グレーとデニムの相性はとても良くブルーのプリントとも合っていてうまくまとまっています。
同色カラーでまとまっているこちらは、シンプルに見せつつロゴデザインが強調されています。
ゆったりなサイズ感にフレアパンツでメリハリのついた女性らしいコーディネートです。
“キング・オブ・スウェット”チャンピオンの「リバースウィーブ」
歴史の深いチャンピオンの「リバースウィーブ」は、時代に合わせて進化・改良を続けてきました。
人気は現代でも色褪せずにスポーツウエアやファッションウエアで第一線を走っており、年齢を問わずファンが多いです。
年代やコンディションを問わず、タグやデザインでお気に入りの1枚を見つけるのが古着の楽しさ。ボロさやダメージが魅力的だったりします。
古着スタイルには欠かせない「リバースウィーブ」をぜひチェックしてみて!これからの時期に大活躍間違いなしです!